ヤマセミ・カワセミ 撮影日記

カワセミの青い背中に惹かれ鳥撮りの世界へ。そして、今、ヤマセミやタカへも

ヤマセミの営巣行動 まとめ

今期の幼鳥期は期待したものが撮れずに終わってしまった。

しかし、3月31日にヤマセミの営巣地を発見。7年目にして初めてであった。
これまでは、餌場の成鳥の様子から営巣状況を推測していたが、今期は巣周辺のヤマセミを観察できた。
初めての観察で不十分なところが多く、来期の観察の観点や方法などについて思いを巡らしていた時に、あの豪雨。
残念ながら今期営巣地の崖は崩れてしまい、来期も探すところから始めなければならない。

営巣活動の節目時の巣穴周りや餌場の成鳥の様子を整理し、来期に備えたいと考えている。

一応「撮影日記」だから、まずは画像から

雛は孵化後5日目で成鳥級の大きさの魚を食べる
esaookisa.jpg

左(孵化5日目)と右(孵化3日目)の餌の大きさを比較
2日経過で餌の大きさが明らかに違う。
この川では左の大きさぐらいを成鳥も普通に食べる。ウズラの卵大から生まれ、3日目5日目でこの大きさを丸呑み?
孵化日の推定については後述する。

 以下【続き】は、ヤマセミ狂いの爺の独断での整理
 ヤマセミの生態について、間違い、気づきなどご指摘いただくと嬉しいです。



ところで、孵化**日目としているが、一応4月27日に孵化したとして表している。
確実な基準日は、巣立った5/31である。これは直接巣立ちを観察している。

これまでの多くの先輩がヤマセミの営巣を観察されている
それによると
   ・ 4~7個の卵を産む
   ・ 20日ぐらいの抱卵期間
   ・ 孵化から巣立ちまで 32から36日間
いずれの観察も巣穴の中を直接見たのではなく、外の成鳥の様子から割り出したものであるが、どの観察者もほぼ同じである。

それで、今期観察5月31日巣立ちを基準にして、遡ると、
   ・ 孵化(巣立ちより32~36日前)は4月25日~4月28日
   ・ 抱卵開始(孵化より20日前)は4月5日から4月8日
となる。
これを踏まえながら、抱卵開始、孵化、巣立ちのそれぞれの節目に、何を観察したのか整理したい。



成鳥の1羽行動の開始から、抱卵開始を推測

番の2羽行動から1羽行動へ
 3/27~4/1に午前6時前に交尾を観察。また、給餌を観察。(当然、これ以前から交尾は始まっていた)
 繁殖期となると交尾だけでなく、囀り給餌それまで見なかったところでの2羽止まりなど、とにかく番の距離が近づくし、盛んに鳴く。

 ところが、今期でいえば、4/2 番で飛来し♂だけが早く戻った。4/6それまで番で行動していたフィールドでも1羽行動となった。
 4/9には♀だけ飛来。遅れて♂が来るが♀が追い回す。いつもの5mも離れずに止まるが、20mぐらいの距離をとって止り、近づく気配がない。そして、♀が♂を追い営巣地の方へ飛んでいき、♀だけ戻ってきた。

1羽行動は抱卵開始のシグナル
 繁殖期に入って番で行動していたのが、片方で行動しだすと抱卵開始とみてよさそうである。
 それでも、抱卵初期には、早朝や夕方に♂♀ともに餌場で1時間以上も過ごすことがある。

 抱卵に入ると成鳥が鳴かなくなる。これまで、巣穴を守るためと理由づけていたが、そうではないようだ。
 フィールドにいる♂を巣穴に行くように促す♀は盛んに鳴いて追い回すが、鳴かない。1羽行動のときは鳴き声で連絡を取り合う必要がないからと思える。
 抱卵が進むと餌場では鳴き声がほとんど聞かれなくなる。

♂♀交代で抱卵する
 4/6の餌場での様子から抱卵開始と推定し、4/8に巣穴の観察し抱卵に入ったことと判断。
 すでに抱卵に入っていたかもしれないが、抱卵開始の推定日(4月5日から4月8日ごろ)に収まっている。

♀が主導する
 
 抱卵中の♂♀の役割についての記事 → ヤマセミ抱卵中 ♂♀の役割
 抱卵中に♂♀の役割り分担はないが、♀が主導し交代をする。
 ♀は、♂が巣穴にいるとき、鳴いてから♂が出てから巣穴に入る。そして、2時間半前後で餌場にいる♂を探しに行き、巣穴に行くように促す。
 ♂の1回の抱卵時間は♀とほとんど変わらないが、抱卵初期には♂はすぐに出て♀に追い返されることもある。抱卵に慣れてくると♀が外で鳴くまで巣穴にいる。
 「♀が抱卵しているとき♂は近くの枝で監視」と読んだ記憶があるが、そんなことはなかった。抱卵していない方は、餌場でお魚捕りに夢中であるかまったり中である。
 ♂が交代を忘れて♀から追い回されていると推測しているシーンを何度も見た。
 観察した営巣地は餌場から離れており、巣穴と餌場の距離で違うとも考えられる。

突然の2羽行動で。突然のグルグル鳴き。孵化のシグナル?
 フィールドのヤマセミの様子で孵化したのではと推測したのが4月27日である → この日の記事
 この朝、♂♀がグルグルと呼び合い鳴くなど明らかに変化があった。
 この日が、すべての卵(4個)が孵化し終わったのか、最初の孵化であるかなど不明ではあるが、前述した孵化推定日(4月25日~4月28日)に収まっている。
 このような変化を観察することができれば、巣立ちの日の予測ができそうである。

♂♀協力して雛に餌を与える。(給餌)
 
2週間目ぐらいまで、雛1羽に対し1日に4~5回給餌
 4/28(孵化3日目)14:35~18:11に餌運び4回。雛1羽につき1回ずつ給餌。
 5/1(孵化5日目)07:30~11:45に9回給餌、観察前にも給餌があったと考えられるので雛1羽に3回給餌。同日14:35~18:11は餌運び4回。つまり雛1羽につき1回給餌。観察していない時間帯11:45~14:35はせいぜい1回ずつの給餌と考えると、この時期には雛1羽に4回から5回。雛が4羽だったので、番で1日計16~20回餌を運ぶ。♂♀は同じ回数ではなく、♀が多かった。
10日目ぐらいから尻尾から出る
 5/6(孵化10日目)06:27 ~ 08:42に4回給餌。5/1と同じペース。巣穴から出るときには、頭から、尻尾からの両方がある
2週間過ぎるぐらいで、 給餌回数が減る 鳴かない
  5/12(孵化16日目)06:30~10:40に3回給餌、雛1羽当たり1回給餌。すべて尻尾から出る。このころ1日に1回の給餌。5/20、5/21、5/22に午後観察したが給餌なし。出入りに際して一切鳴かない。食事を減らしておき、次のステップ(親が鳴き声で雛を入り口付近まで呼び出す)への準備とみた。
巣立ちが近づくと、成鳥は盛んに鳴いて、入り口付近まで幼鳥を呼んでから給餌する
 5/25(孵化29日目、巣立ち5日前)05:00~09:00に7回給餌、1羽につき2回給餌。巣穴に入る前に賑やかに鳴くことがある、そして、巣穴に入ってから出るまでの時間が3~10秒と短い。巣穴に入る前に鳴くのは、入り口付近まで出てくるように躾け、巣立ちへの準備であろう。
 5/27(孵化31日目、巣立ち3日前)05:00~09:00に7回給餌、1羽につき2回給餌。午後は給餌なし、あっても1回運んでくるだけ。この時期は雛1羽にたいし2回給餌。
 5/29(孵化33日目、巣立ち2日前)5:40~7:40で1回給餌。15:45~18:30で2回給餌。雛1羽に1日1回給餌。
 5/30(孵化34日目、巣立ち前日) 5:10~8:30で早い時間だけに2回給餌。雛1羽当たり1日1回以下の給餌。雛の嘴が入り口で見える。

巣立ちを促す親の強さ、知恵  感動
  記事はこちら(クリックするとジャンプ)


カワセミの美しさに惹かれて始めた鳥撮りが、ヤマセミに惹かれタカに惹かれ
そして、今年はヤマセミの生態に憑りつかれてしまいました。
今、神保賢一路さんの「ヤマセミの暮らし」を読みながら観察の観点や方法を考え中で
またチャンスがあれば、少しでも前に進めるように観察をしたいと思います。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。



撮影場所:原則非公開・連絡方法について

テーマ:野鳥の写真 - ジャンル:写真

  1. 2018/08/31(金) 20:00:00|
  2. ヤマセミ
  3. | コメント:7
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コメント

学術研究レベル!

本にまとめるレベルですね!
なにせ、写真の裏付けがありますから、凄い!ここまできたら、ヤマセミの生態研究、達成!祈願してます!v-218
  1. 2018/09/01(土) 05:58:45 |
  2. URL |
  3. 札幌コバ #-
  4. [ 編集 ]

札幌コバ 様

いえいえ、あくまでも自分のためのまとめです
まずは、餌場でのヤマセミの様子から、幼鳥が出る時機を予想できれば楽になるというのが第一、
ついでに、大好きなヤマセミの暮らしについて明らかにできれば・・・ぐらいです。
それにしても、まとめると疑問がまた出てきます。
  1. 2018/09/01(土) 14:44:43 |
  2. URL |
  3. baku9907 #-
  4. [ 編集 ]

すごい!

ヤマセミの生態についてとても参考になる物ばかりですね。本が出せますよ。毎日観察された成果でしょうがすばらしいと思います。自分のフィールドでは餌場も特定できず、止まり木も気分次第のところがありなかなか撮させてくれません。そのためブラインドではなく車の中から写真を撮っています。やみくもにブラインドを張るより行動パターンをある程度理解してからの方が良いかと思い取り組んでいます。どちらの方が良いのでしょうか?アドバイスよろしくお願いします。
  1. 2018/09/02(日) 09:30:53 |
  2. URL |
  3. しゅうパパ #-
  4. [ 編集 ]

しゅうパパ 様

ありがとうございます。
周年の動きは大体とれたと思っていますが、あと一つ欲しいのが、巣穴掘りのシーンです。来年の2月3月に頑張らねば。
環境調査に協力したときの、調査員さんの方法を↓に書いています。
http://yamakawanikki.blog.fc2.com/blog-entry-568.html
フィールド全体が見える場所から観察し、ブラインドを貼る位置を決めるのがよさそうです。
止まり木もちょっとだけ止まるところ、必ずと来るところ、餌を探して何時間も過ごすところ、いろいろです。
また、季節や水量の変化で変わります。
予想は難しいですが、だから面白いです。
  1. 2018/09/02(日) 10:16:16 |
  2. URL |
  3. baku9907 #-
  4. [ 編集 ]

baku9907さん、今晩は。
素晴らしいまとめで感心しました。写真とデータの突き合わせなどで苦労されたと思います。
我々が観察した巣立ちまでの期間は、殻を咥え出た日を入れて34日でした。巣立ちは3日に及ぶこともありました。
「ヒナへの入口での給餌の前は回数が減少」は我々は観察できていません。
その頃はまだ現役で働いていて、土日祝と有給でしたので自由が利きませんでした。その代わり巣立ち日にはしっかり休暇を取れるよう観察をしました。
抱卵時の交替は1週間までは♂♀交互でしたが、その後はメスが時間的に多くするようでした。抱卵中に♂♀で1~2時間巣外で過ごすのは、その通りですね。
今後の活躍、期待しております。
  1. 2018/09/02(日) 20:57:04 |
  2. URL |
  3. 川原kaze #H1qm9lzE
  4. [ 編集 ]

川原kaze 様

川原kaze さん、ありがとうございます。
何年も観察を続けられている先輩からの言葉、大変うれしいです。
私は、巣穴を観察するのは今回だけで、一般的な傾向とすることはできませんが、
私のホームグランドの傾向として役立てていきたいと思っています。
今後とも助言をいただくと大変うれしいです。よろしくお願いいたします。
  1. 2018/09/03(月) 21:02:50 |
  2. URL |
  3. baku9907 #-
  4. [ 編集 ]

奥深いですね

コメントありがとうございます。餌を探して何時間も過ごす場所とは、今のところ出会えていませんので今後も観察を続けていきたいと思います。
  1. 2018/09/03(月) 21:19:46 |
  2. URL |
  3. しゅうパパ #-
  4. [ 編集 ]

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baku9907

Author:baku9907
ヤマセミ・カワセミの撮影を楽しんでいます

2012.6.17~2015.12.9
  アサブロ在住
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2015.12.10 ここFC2に移住

昭和22年生まれ 男性

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